環境法政策学会の設立経緯

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 1960年代以降深刻化した公害問題、70年代から本格的に関心が向けられるようになった自然保護、80年代に定着したアメニティーの保全、そして90年代に入って危機的状況が叫ばれている地球環境問題に直面して、私どもは、現在、きわめて深刻な環境問題をかかえるようになりました。

 このような新たな状況に対応して、複雑化し、深刻化する環境問題の解決に向けて、いくつかの領域で学会が設立されています。すでに1970年代の末から、環境問題の各領域の専門家と弁護士に市民が加わり、環境政策の提言を続けている日本環境会議があります。近時は、自然科学の専門家に社会科学者を加えた学際的学会として、環境科学会が設立され、その後、環境社会学の領域では環境社会学会、1995年には、環境経済学を中心に隣接学問領域を加えて、環境経済・政策学会が設立されました。

 私どもは、以上のような、広範な解決されるべき環境問題の現状と隣接領域における学会活動を通じての研究、協力の成果をみて、環境法と環境政策の分野でも学会の設立が急務だと考えるようになり、準備を進めてまいりました。準備は、環境法の国際比較と国際環境法の研究および国内環境法と環境政策の研究を続けている国際比較環境法センター(1991年設立)のメンバーを中心に開始し、関心のある研究者・弁護士・行政担当者・実務家に輪を広げる形で環境法政策学会設立準備会を設置し、検討を進めるという手法で行ってまいりました。そして、1997年6月に、環境法政策学会を設立いたしました。